既存のユニキャストネットワーク上でマルチキャストストリーム配信を実現する「LiveSpark」
NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジは、IPマルチキャストプロトコルに対応していないユニキャストネットワーク上で、マルチキャストストリーム配信を実現するソフトウェア「LiveSpark(ライブスパーク)」の販売を本年1月より開始した。
開発の背景
通常の映像や音声のストリーム配信で採られているサーバから送信先毎にコンテンツを読み出して送出する方法では、視聴ユーザ数が増加するにつれて、サーバ負荷やデータ伝送量が増大するため、安定した配信が難しく、配信できる総容量に制限がある等の問題がある。これらの問題の解決方法として、ネットワーク内部でIPパケットをコピーして多地点に配信するIPマルチキャストネットワークがあるが、この方法では専用プロトコル対応のルータの使用や、あらかじめマルチキャストに対応できるようネットワークを設計・構築する必要がある。
今回販売を開始した「LiveSpark」は、NTTの研究所で開発されたFlexcast技術を基に製品化した、ユニキャストネットワークの上でマルチキャストネットワークを実現するソフトウェアである。「LiveSpark」を既設ネットワーク上のPCに載せることにより、ネットワーク構成に手を入れることなく、一方向もしくは双方向に映像・音声ストリームを多地点配信することが可能になる。
「LiveSpark」は、マルチキャストプロトコルがユニキャストネットワークを通過できるようカプセル化するゲートウェイ(GW)機能と経路を自律的に構築しパケットを分配するスプリッタ(SP)機能の、2種類のソフトウェアから構成される。これらのソフトウェアを市販PCにインストールし、既設のユニキャストネットワークに接続することによって、容易にマルチキャストネットワークが構築できる。
主な特徴
1. 容易かつ安価にマルチキャストネットワークを実現
「LiveSpark」ソフトウェアを載せた市販PCを既設ネットワークの必要な箇所に接続するだけでマルチキャストネットワークが実現可能。機器や設置のコストが抑えられる。
2. 多様なアプリケーションに対応
映像・音声の他、さまざまな情報のマルチキャスト配信が可能。IPマルチキャストをサポートしている各種アプリケーションと組み合わせて利用することも可能。
3. 低遅延時間での配信を実現
ゲートウェイとスプリッタの遅延時間は、数ms。遠く離れた多地点に配信する場合も低遅延時間での配信が可能。
◆利用例
- 企業内での講演、イベント情報のリアルタイム配信
- 自治体等における議会中継、災害映像等の配信
- 大学構内での授業のマルチキャスト配信
◆動作環境
・LiveSpark-GWソフトウェア
- OS:
- Red Hat Enterprise Linux ES3.0またはMicrosoft Windows 2000/XP
- CPU:
- Pentium 4または同等スペック以上
- メモリ:
- 512MB
・LiveSpark-SPソフトウェア
- OS:
- Red Hat Enterprise Linux ES3.0
- CPU:
- Pentium 4または同等スペック以上
- メモリ:
- 512MB
◆価格(税込)
- ・LiveSpark-GW(Linux版):
- 210,000円~
- ・LiveSpark-GW(Windows版):
- 10,500円~
- ・LiveSpark-SP:
- 210,000円~
※インストール、セットアップ費用が別途必要。
NEWS(2007年3月)
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